病院には消防法と建築基準法により、非常用電源の設置が義務づけられています。人命に関わる重大な設備なので、非常用電源の規格にも厳しい規格が存在します。ここでは、規格や必要となる非常電源の種類について解説します。
非常用電源の設置義務
非常用電源とは、万が一の災害などで電力供給が途絶したとき、停止や故障しないために一時的に電力を供給するものです。災害の多い日本では法人でも個人でも対策が必要であり、とくに病院は停電すると命が危険にさらされる確率が高まります。
そのため非常用電源の設置が「消防法」と「建築基準法」によって定められており、200床を超える病院は日本工業規格に準拠して運用されている場合が多くあります。
非常用電源に関わる3つの法律
消防法
特定防火対象物に該当し、延べ面積が1,000㎡の場合に非常電源の設置が義務づけられているのが消防法です。非常電源は停電になった場合でも、防炎設備、消火栓、スプリンクラーなどが作動するためのものです。
建築基準法
排煙設備が必要な建物(特殊建築物で延べ面積が500㎡)かつ、非常用エレベーターの設置が必要な建物(高さ31m以上の高層建造物)に非常電源の設置が義務づけられています。非常用照明の設置義務もあるため、電力を確保する必要があります。
電気事業法
消防法、建築基準法に加え、電気事業法によって自家用発電設備の保安点検も義務化されています。非常電源を設置しただけでなく、常に使用可能な状態にしておく必要があります。
非常用電源の規格
非常用電源の設置は法律により定められてはいるものの、法的拘束力はありません。とはいえ病院で停電が起こると人命に関わるため、非常用電源は重大な設備です。
非常用電源には厳しい規格があり、以下のように区分されています。
一般非常電源 | 特別非常電源 | 無停電非常電源 | |
---|---|---|---|
起動時間 | 40秒以内 | 10秒以内 | 無停電 (交流電力の連続性が確実な電源) |
連続稼働時間 | 10時間以上 | 10時間以上 | 10時間以上(10分以上) |
用途 | 自動火災報知設備 非常用エレベーター など |
輸液ポンプ
心電計 脳波計 など |
人工心肺装置
人工呼吸器 など |
使用する設備 | 自家用発電設備 | 自家用発電設備
無停電電源装置(UPS) |
自家用発電設備
無停電電源装置(UPS) |
コンセントの色 | 赤 | 赤 | 緑 |
一般非常電源
電源が停止したとき、40秒以内に電力供給を回復しなければならない医用電気機器などに設ける電源です。自動火災報知設備や非常用エレベーターなどが該当します。一般的には「自家発」と呼ばれるものでバックアップします。
特別非常電源
電力会社からの商用電源が停止したとき、10秒以内に電力供給を回復しなければならない医用電気機器などに設ける電源です。輸液ポンプや心電図、脳波計などが該当します。
無停電非常電源
商用電源が停止したとき、無停電(交流電力の連続性が確実な電源)で電力供給を行わなければならない医用電気機器などに設ける電源です。人工心肺装置や人工呼吸器、保育器などが該当します。
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人の命を守る非常用電源
消防法や建築基準法により、病院には非常用電源の設置が義務づけられていますが、法的な拘束力はないため病院の独自の判断で設置しているのが現状です。停電が人命に直結する病院では、停電時に瞬時に切り替わり、持続性がある医療用蓄電池が有益です。今一度非常用電源がどのように設置されているか見直し、検討してみてください。
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